二重埋没法は誰が、いつ受けている?全国19万件のデータでわかった年代と季節

この研究でわかったこと(3行まとめ)

  • 2020年10月〜2024年12月に全国で行われた二重埋没法195,893件を分析し、「誰が」「いつ」受けているかを調べました。
  • 受けた人の約9割が女性、年代は20代が45.9%、10代が23.8%。件数は毎年3月・8月・12月に増え、2023年3月がピーク(月10,625件)でした。
  • コロナ禍後に一時的に需要が急増し、その後は緩やかに落ち着いていく傾向が統計的に確認されました。

「二重埋没法を受けている人は、どんな年代が多いの?」「いつ受ける人が多いの?」――施術そのものの研究ではありませんが、ご自身がどのくらい一般的な選択をしようとしているのかを知る手がかりになります。この記事では、約20万件のデータから日本の二重埋没法の実態を分析した私たちの研究を紹介します。

目次

論文の基本情報

論文タイトル(原題)Time-Series and Demographic Trends in Cosmetic Surgery: Multicenter Analysis of Double-eyelid Embedding in Japan
日本語訳美容外科における時系列・人口統計学的トレンド:日本の二重埋没法の多施設解析
掲載誌Plastic and Reconstructive Surgery – Global Open(米国形成外科学会 ASPS のオープンアクセス誌)
掲載2025年11月13日 オンライン公開/第13巻11号 e7278
著者Kohki Okumura(奥村公貴・筆頭著者), Takahiko Tamura, Yusuke Funakoshi, Hiroo Teranishi
研究デザイン後ろ向き・横断的な多施設解析(時系列解析)
対象2020年10月18日〜2024年12月11日の二重埋没法195,893件
DOI10.1097/GOX.0000000000007278

なぜこの研究を行ったのか

美容医療は近年急速に広がりましたが、「どんな人が、いつ、どのくらい受けているのか」を大規模なデータで調べた研究はほとんどありませんでした。二重埋没法は日本で最も件数の多い美容手術の一つなので、これを「代表例」として分析すれば、美容医療全体の動きを知る手がかりになります。また、コロナ禍が需要にどう影響したのかも調べました。

どのように調べたのか

  • データ:全国展開する美容外科グループで2020年10月〜2024年12月に行われた二重埋没法195,893件。年齢、性別、職業、手術日を使いました。
  • 時系列解析:月ごとの件数を「長期的な傾向」と「季節による変動」に分けて分析(STL分解、ARIMAモデル)。
  • コロナ禍の影響:まん延防止等重点措置が終了した2022年3月21日を区切りとして、その前後で需要がどう変わったかを分析(分割時系列解析)。
  • 年齢・性別・職業の影響:負の二項回帰という方法で、「20代・女性・会社員」を基準に、各グループの需要が何倍かを計算しました。

結果

二重埋没法を受けた195,893人の年代別割合。20代45.9%、10代23.8%、30代15.4%
受けた人の年代別の割合。原著論文のデータをもとに作図。
  • 誰が受けているか:女性89.7%、男性10.3%。平均年齢27.5歳。20代が45.9%、10代が23.8%、30代が15.4%で、10〜20代で約7割を占めました。職業は会社員が32.5%で最多。
  • いつ受けているか:3月、8月、12月に件数が増える明確な季節性がありました。最も多かったのは2023年3月の10,625件(期間中の月平均は3,841件)。
  • コロナ禍の影響:2020年末の月平均約2,100件から、2021年には約4,500件に回復し、2023年まで増え続けました。重点措置終了の直後に急な変化はありませんでしたが(p=0.427)、その後は緩やかに減る傾向が統計的に確認されました(p=0.049)。2024年の月平均は約4,760件で落ち着いています。
  • 需要が特に高いグループ:10代の学生(特にアルバイトをしていない学生)、20代の女性会社員。一方で、40代以上の専業主婦(主夫)や自営業の方の需要も、基準と比べて相対的に高い傾向がありました。

患者さんにとっての意味

二重埋没法は、10〜20代の女性にとって、すでにごく一般的な選択肢になっています。年間数万件が行われ、春休み・夏休み・年末といった「休みを取りやすい時期」に集中しています。

その一方で、この記事を読んでいる方に知っておいてほしいことが2つあります。1つは、3月・8月・12月は予約が取りにくく、医師の余裕も少なくなりがちだということ。急がないなら、混雑期を避けたほうが丁寧な診察を受けやすいです。もう1つは、10代は件数が多い一方で、別の研究では最も「戻り」が多い年代でもあるということです(年齢別の再手術率についての解説はこちら)。「みんなが受けているから」ではなく、ご自身のまぶたと時期に合わせて判断してください。

この研究の限界

  • 1つの医療グループのデータ:日本全体の動きをそのまま表しているとは限りません。広告やキャンペーンの影響も切り分けられていません。
  • 動機や満足度はわからない:件数と属性のデータだけで、なぜ受けたのか、満足したのかは含まれていません。
  • コロナ禍からの回復期のデータ:特殊な時期のため、今後も同じ傾向が続くとは限りません。
  • 地域差は分析していない。

施術に伴う主なリスク・副作用

二重埋没法:腫れ、内出血、痛み、左右差、二重のラインが薄くなる・消える(戻り)、糸の露出、感染、目のゴロゴロ感、希望と違う幅になることなどがあります。

※効果や経過には個人差があります。

原著論文

Okumura K, Tamura T, Funakoshi Y, Teranishi H. Time-Series and Demographic Trends in Cosmetic Surgery: Multicenter Analysis of Double-eyelid Embedding in Japan. Plast Reconstr Surg Glob Open. 2025;13(11):e7278. doi:10.1097/GOX.0000000000007278(PubMed)

本記事は、学術論文の内容を一般の方向けに解説したものであり、特定の施術を推奨するものではありません。施術の適否は医師の診察のうえで判断してください。
執筆:奥村公貴(美容外科医・本論文筆頭著者)/最終更新:2026年10月26日

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